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古代、大和の吉野川上流の山地にあったとされる村落・国栖。国栖人は、宮中で元旦をはじめ数々の節会に参賀して、歌や笛を奏したという。彼らが作るツル草の根からとったデンプンが、里で知られるようになり、それをクズと呼ぶようになったと考えられている。現在も吉野町には地名が残り、和紙作りで有名だ。 |
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葛はマメ科のツル性植物で、秋の七草の一つにも数えられる多年草。古くから「万葉集」等に詠われ、花は茶花や煎じ薬に、葉は家畜の飼料に、茎は葛布や工芸品に、根はかぜ薬で有名な漢方薬の「葛根湯」に、と各部位が様々な形で利用されてきた。根の部分はデンプン質が豊富で、これを精製したものが「葛粉」になる。 |
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葛の根 |
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「葛の館」工場内
吉野の地下水でさらさ
れる葛根。最初の頃は
まだアクがあり、水が
褐色に濁っている。
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奥深い山野に自生する葛の根を細かく砕き、寒水で何度もさらして精製されたデンプンが「葛粉」。かくはんと沈澱を繰り返し、アクや不純物を3週間ほどかけて取り除いた後、底にたまった白い塊を約2か月間乾燥させれば完成。 |
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