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女人禁制の高野山に対して、女性を慈悲深く受け入れてきた室生寺は、「女人高野」と呼ばれ、昔から多くの女性が参詣した。
春に桜と石楠花、その後の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々に移り行く自然のさまは、参詣者の心をも和ませる。
700段の石段とともに境内には、弥勒堂、金堂、本堂、五輪塔、五重塔、御影堂が立ち並ぶ。
室生寺の象徴ともいえる五重塔は、高さ約16m、屋外に現存する五重塔としては日本で最も小さい。1998年(平成10)9月の台風7号により、巨木が倒れて大きな損傷を受けたが、平成12年9月には修復工事を完成。修復資金は、日本だけでなく海外からも多額の寄金が集まり、予定より2年早く完成。多くの人々の室生寺への深い信仰と、深い愛情が感じられた。
創建については諸説あるが、近在する「龍穴」という洞穴に龍神が住むということで、古来から雨乞いの信仰が篤く、その霊場として山岳修行する僧が、龍穴神の神宮寺として造った山寺を始まりとし、天平時代末期に興福寺の大僧都賢m(けんけい)が、山林道場として室生山寺を開いたのが現在の寺である、というのが通説である。
役行者が草創し、その後空海が再興したとする説があるが、これは室生寺が真言宗と化した後につくられた話であろう。 |
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●参考文献/佐藤昭夫監修『奈良大和路の仏像』、網干善教監修『奈良まほろばソムリエ検定』、五木寛之監修『百寺巡礼』、前川久夫編集『奈良大和路をあるく』 ●参考HP/室生寺 ●初書/2007-09-14-IT |
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