明日香村/史跡 エリア広域/飛鳥・橿原 亀形石造物、小判形石造物
◆酒船石・酒船石遺跡 ●さかふねいし・さかふねいしいせき ●明日香村岡
酒船石は、長さ5.3m、幅2.3m、暑さ1mの扁平な花崗岩。両サイドに石を割るためにいれた楔穴が見られることから、元は円形に近かったと思われる。酒の醸造に使われたとか、油をしぼったとか、ゾロアスター教の密議に使う薬の調合の道具であるなどと諸説あるが、この周辺の遺構に水を引くための土管や石樋が見つかり、庭園施設の一部分である可能性が高くなった。
2000年(平成12)、酒船石のある丘陵の北裾で、亀形石造物、小判形石造物が見つかった。造形的に優れたものであり、組み合わせて導水施設となっている。谷部分に造られていること、実用的でないことなどから考えて、おそらく何らかの祭祀が行われていたと考えられる。
この丘陵一帯に広がる遺跡を「酒船石遺跡」と呼び、『日本書紀』に記されている、斉明天皇の両槻宮(ふたつきのみや)と考えられる。
▽データ
所在地 高市郡明日香村岡
酒船石 酒船石遺跡
●参考文献/千田稔著『飛鳥−水の王朝』、大和書房発行『東アジアの古代文化113号』、河上邦彦著『飛鳥発掘物語』、奈良県高等学校教科等研究会歴史部会編『飛鳥散歩24コース』、奈良県歴史学会編『奈良県の歴史散歩』、網干善教監修『奈良まほろばソムリエ検定』、朝廣佳子編集『yomiっこ2007年1月号』、網干善教著『古都・飛鳥の発掘』  ●初書/2007-09-06-IT
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