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お父さん

 この頃、お父さんにも家事や育児に関わってもらおうという
動きが出ている。

 私が関わっている奈良県家庭教育推進協議会でも、
「お父さん出番ですよ、わくわく野外体験」という事業を行った。
 県内の父子約60人が、吐山の野外活動センターでフィール
ドアスレチックや自然工作などをして楽しんだ。
 参加した子どもたちは幼稚園から小学低学年の子どもたち
だったが、その時の彼らのうれしそうな顔! 普段はなかなか
遊んでもらえないお父さんと丸一日遊べるからか、
本当にいい顔をしていた。

 父親はやはり大胆だ。母親なら「危ない!」と思うところを
手も貸さずに横について見ている。子どももお父さんにいい
ところを見せたいのか、高い木の上を、怖くて泣きながらでも
あきらめずに前へ進んでいく姿には感動した。
 後日談を事務局の人に伺うと、今までなつかなかった子ども
たちがお父さんと話をしたり、お父さん同士が仲良くなったりと、
非常にいい効果を生んだようだ。

 11月に行われた、子育てを実践しているお父さんたちの
トークも興味深かった。初めて自分がやってみて妻の苦労が
わかったとか、ほめてもらえないつらさが理解できた、やろう
にもやり方がわからない人もいる、また父親の仲間がいれば
楽しく出来るといった経験談を語っておられた。

 一方で、青少年白書によると、子育て世代の労働時間は
増えており、関わりたくても関われないお父さんも多いだろう。
でも先日の野外アスレチックのように、たった一日で、父親の
威厳を取り戻すことだってある。夫婦円満のためにも、
今から積極的に子育てに関わってみては。

 きっと夕食の品数が一品増えますよ。

yomiっこ 2009年01月号より抜粋】

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