今年の夏、故郷の岡山で、中学の同窓会があった。
金八先生じゃないが、3年B組。
集まったのは、13人。
私の大親友が幹事をしていることもあり、何があっても
駆けつけようと思ったが、私のほかに女子は3人のみ。
女性は嫁ぎ先の事情があるし、全国に散らばっているんだから
集まりが悪くても仕方ない。
むしろ、少なかったお陰で皆とじっくり話が出来た。
きっかけは、担任の先生が我々の母校の校長を務めたのを最後に
定年退職されたため。皆で先生のお祝いをしようと集まったのだ。
数十年ぶりに会う仲間。大手企業の管理職についている人、
自分で手に職を持ち整骨院を開業した人、
小学校の教師になった人、
老人ホームで働く私の親友…、
皆それぞれの道をしっかりと歩んでいた。
ドクターヘリで運ばれて一命を取り留めた同級生の男の子(今はおじさん)が、
「みんなにこうして会えただけで本当にうれしい」と言った。
つくづく私もそう思う。
皆に会えたことに感謝の気持ちでいっぱいになった。
人それぞれに幸せに暮らしていることを、
こんなにうれしく思ったことって最近あっただろうか。
心の底から「お互いに幸せでよかった」と喜び合える仲間がいるって、
なんて心を温かくしてくれるんだろう。
おまけに年を重ねた今は、今まで話しにくかった男女の壁も取れて、
互いのこれからを心から応援し合える間柄に一挙に縮まった。
これもこの年齢にまでなったお陰なんだなあとしみじみ思うと、
年を取ることも悪くない。
次は5年後の約束。
5年後も、さらにおじいさんおばあさんになっても、
絶対にまた元気で会おうね。
【yomiっこ 2009年10月号より抜粋】