宝山寺を拠点とする宝山寺福祉事業団のボランティア懇親会に招かれた。この事業団、3軒の特別養護老人ホームを始め、デイサービスセンター、ケアハウス、在宅訪問介護センターなど様々な高齢者施設とともに、保育園経営もと、児童福祉から高齢者福祉まで幅広い経営をされている。
その福祉事業団を支えるボランティアの皆さんが年に一度集まって懇親会をされているのだが、集まった80人はほんの一部だそうだ。
理事長の辻村泰範さんは「国では3人の入所者に1人の職員と、そういった試算をされるけれど、実際の現場は1人に1人必要。それだけ人もお金もかかります。その中でボランティアの皆さんの力はものすごく大きいんです」と力説された。
ボランティアが横でもう一人の入所者を見てくれているだけで、話し相手になってくれているだけで、職員がやるべき仕事が進み、入所者の皆さんも元気になる。実際に皆さんの活動は、喫茶の運営、花を生ける、話し相手、歌を歌うなど、特に技術や資格がいらないものだ。
でも高齢者のお世話は大変ではないかと持ちかけたら、もう30年手伝っているというある方は「私たちが元気をもらうんです。だからやめられない」と言う。人生の苦労話や特技など、学ぶことが多いのだそうだ。
ボランティアを通して楽しませてもらっている、元気をもらっていると言える気持ち、とても大切だと思う。ともすれば、する方は「してあげている」というおごった気持ち、される方は「してもらっている」という卑屈な気持ちになる人もいる。だが懇親会で皆さんから口々に出てきたのは「させていただいてます」という言葉。おまけに皆さん、高齢の方が多かったが、すごく元気で明るい。こんな方たちがそばにいてくれたら、施設にいても寂しくないんじゃないかと感じた。
私が高齢になった時は、よろしくお願いいたします。
(yomiっこ2011年1月号編集長のメッセージ)